ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜

□そのE
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返事をしないケロロ。

パルルは黙って頭を下げた。


「すみません、僕…」

「なぜ謝る。」


パルルが顔を上げる。

通称戦場の赤い悪魔、ギロロ伍長が鋭くも、優しくも無い視線をパルルに向けていた。


「貴様は十分に戦った。その事は、貴様の傷つき方を見れば一目瞭然だ。確かに捕虜になることは軍人にとって恥だ。
 だが、本当に大事なのはそんな事ではない。」


確認するように、ギロロはゆっくり言った。


「大切なのは、仲間を守ったかどうかだ。」

「僕は…」


パルルの返事を制し、ギロロは続けた。


「貴様が仲間を守ったのかぐらい、貴様を見るだけで分かる。」

「でも結局僕は、隊長だけじゃなく、仲間も…」

「仲間を守りきれなかったのは、パルル殿だけの責任ではないであります。我が輩たちにも、責任はあるのでありますよ。」

「え…?」


ケロロから返ってきた意外な言葉に、パルルは驚いた。


「その場に駆けつける事の出来なかった我が輩達にも、責任があるのであります。」

「でも――」

「パルルくんは…出来る限りの事をした…それでも仲間を守れなかったのは…仕方の無いことだ…。
 ここは戦場。もとを正せば、誰の責任でもない…」


少し考え込んで、パルルは立ち上がった。


「ありがとうございます、皆さん。」

「ところでパルル殿、武器は転送されてくるでありますか?」

「え?」


ケロロの質問に、パルルが首をかしげる。とりあえず左手を開いたが、その手のひらに武器が現れることは無かった。


「転送…されてきません。でも、体術もある程度できるので大丈夫です。」


ケロロは頷き、ゼロロのそばで片膝をついた。


「大丈夫でありますか?ゼロロ兵長。」


ゼロロは黙って頷いたが、


「少し休ませた方がいいだろう。暗殺兵法で大量に気力を使ったうえに、常に敵兵の気配がないか気を張り詰めていたんだ。
 いくらゼロロでも、疲れるのは当然だろう。」

「…そうでありますな。通路は長い一本道。気をつけてさえいれば、敵兵から攻撃を受けることも無いであります。」


ケロロの一言で、タママは歩いてきた方向、ケロロのその逆の方向を見張ることになった。








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