ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜
□そのH
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ト
ゼロロが先ほど銃を発砲した敵兵を見つけ、跳躍んだ。
そのまま銃ごと切り裂き、着地する。
「タママ二等!!」
我慢できなくなり、ケロロは叫んだ。
「タママ二等!どこでありますか!!」
出来るなら、あの兵が放った銃弾が逸れていてくれればと思う。
それなら返事があるはずだ、タママからの返事が…
「タママさん!」
パルルも一緒に声を張り上げた。
タママからの返事は、返ってこない。
いくら戦場でも…我が輩の声はタママに届いているはずであります…
「タママ!タママ二等!!」
そう、こうやって声を張り上げていたら、タママがひょこっと顔を出すんだ。
『軍曹さん、どうかしたんですかぁ?ボクはここですよ。』って。
胸騒ぎがしたなんて言ったら、彼はきっと、笑ってこう返してくれるだろう。
『やめてくださいよぉ、そんな縁起でもない事。ボクが軍曹さんに無断で、やられるわけ無いじゃないですかぁ。』と。
「……!!」
今、何かが聞こえた。
かすれて聞こえにくかったけれど、確かに、その声は我が輩に届いた。
「ぐ…んそう、さん…」
「タママ二等?!」
辺りを見渡す。
ふと、足元を見つめ、刀を振り上げている敵兵が目に入った。
「…あそこか!!」
ケロロは地面を勢いよく蹴り、刀を振り上げていた敵兵の左頬に、強烈な蹴りをくらわせた。
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