ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜

□そのG
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その言葉に、タママは怒りを覚えた。


「ゼロロ先輩、それはさすがにひどいですぅ!軍曹さんもパルル先輩も、ゼロロ先輩の事を本当に心配して…――」

「やめろ、タママ二等兵。」


それまで黙っていたギロロが口を開く。タママが、反感の思いでギロロを見つめた。

だが、ギロロはそれを無視し、言葉を続けた。


「ゼロロも一応プロの軍人だ、自分の限界は知っている。それに…アサシントップの実力は、こんな物ではないだろう?」


一応と言う言葉が引っかかったが、ニヤリと笑うギロロに、ゼロロも笑い返した。


「ありがとう…ギロロくん。」


何を言っても、一番心配しているのはギロロらしかった。

本当に、この男は真面目で優しい。その上、人を信じることを忘れない。

だから、心配ではあるけれど、ゼロロの力を信じようと心に決めたのだ。

その心は、ケロロやタママ、パルルにも伝わった。


「隊長、暗殺兵法の使用許可を…」


ゼロロは改めて、ケロロを見つめる。

ケロロは答えに迷っていた。もしここで使用許可を出し、ゼロロが死んでしまったら…――

数々の想いが、ケロロの中を渦巻いた。幼き日の思い出。ギロロと三人で見た、波打ち際の夕日。

その時、ケロロの心にぽつんと浮かぶ言葉があった。

   オ マ エ  ア イ ツ
――ケロロは、ゼロロの事を信じてないのか?――


小訓練所時代の、ギロロのセリフだ。あの言葉は、幼かったケロロの魂に深く刻まれた。

それは、小訓練所で月に一度あるかないかの実戦訓練中に起きた。








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