時を操る男
□−一緒−
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明るさで目が覚めた。
見れば、ちょうど真上に蛍光灯がある。強すぎるその光から逃げるように、ケロロは慌てて視線を外した。
眠っていたわけではないらしい、すんなりと冴えてくる頭を抱えて、ケロロは起きあがる。
軍曹ルームだった。横ではタムムが、無表情でこちらを見つめている。
「…あれ、もしかしなくても皆まだクルル時空の中?」
ケロロの質問に頷くタムム。
本当に世話の焼ける部下達だなとケロロは呟きながら、部屋の中央に設置されたスイッチを切る。
「のわっ!」
天井近くから次々と降ってくる部下達。
一番下で息絶えた赤い部下は無視し、自分が居ない間に目を覚ましたらしいドロロの無事を確認する。
ふわりと落ちてきたミリリを、タムムが片手で受け止めた。もう片手では、イムムを。
驚きの色を映していたミリリの目が、嬉しげに潤んだ。
それにタムムも微笑み返す。
「…おかえり、タムム。」
「たダいま。」
「終わったようだな。」
宙へ戻ったイムムの言葉に、タムムが頷く。
「一件落着でありますな。」
「いーや隊長、まだそうとは言い切れないゼェ…」
ケロロの言葉をクルルが打ち消した。
ただならぬ雰囲気を纏ったその声色に、タムムやイムムまでもがクルルへ視線を向ける。
「…まだ何かあるのでありますか?」
不安げに訊くケロロに、クルルが頷く。
いつの間にか取り出したノートパソコンの画面をケロロへ向ける。
「数時間前に、地下秘密基地のケロロ小隊専用貯蔵庫から大量に武器が転送された痕跡があるゼェ。ついでにリビングからバリアの反応が消えている。」
「と、言うことは…!」
ケロロ達が青い顔をして軍曹ルームを飛び出した。疑問符を浮かべつつ、ミリリ達も後を追う。
ヤヴァイ、ヤヴァイであります! やっぱり夏美殿達怒ってる!
家事全部を一ヶ月なんかじゃ済まないよ絶対! 下手したら三ヶ月くらい休む暇なく家事家事家事…!
ケロロが勢い良くリビングのドアを開けた。
横にズラッと並んだ部下達と共に、リビングへ向かって直角に腰を折る。
「ゴメンナサイであります!」
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