時を操る男
□−暴走−
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右腕を刀へと変貌させ、ミララがケロロに斬りかかった。
それを危なげに避けながら、ケロロがタママの横につく。
「発射!」
「タママインパクトォッ!!」
ケロロの声と共に、タママは口からエネルギー弾を吐き出した。
ミララはそれを軽く避け、再びケロロと、そしてタママへ襲い掛かる。
「ミララ殿にそんな機能付いてなかったであります〜っ!」
恐らく右腕の事だろう、そんなセリフを叫びながら、ケロロがミララから逃げ惑う。
その向こうではドロロが、キルルの相手をしていた。
どうやらタムム同様、右手を突き出さなくては気力を吸うことが出来ないらしい。
キルルにそんな余裕を与えないように、ドロロが休む暇なく跳躍する。
ミルルの相手は、ミリリがしていた。
ミルルが狙っているのはどうやらクルルのようだが、あいにく彼は時空を調節しキルル達の戦闘能力を下げるのに忙しい。
ミルルの両腕は電気コードへと姿を変えていた。クルルに向かって伸びるそれをミリリは素手で掴み、ミルルに蹴りかかる。
そして残るギロロはタムム。だがタムムのスピードについてゆけず、防戦になってしまっている。
イムムは空から、その様子を黙って見つめているだけだった。
交じわりぶつかる剣。弾かれるも直ぐに体勢を整え、再び襲いくる剣を受け止めては流す。
絶えず響く無機質で冷たい音は、その凄まじさを物語っていた。
何故、こんな事になってしまったのだろうか。
侵略の道具としてこの世に生まれ、それでも幸せに過ごしていた筈だ。
それが、何故……
ガラスの割れる音がした。見れば、青い身体が朽ちたビルの中に横たわっている。
気絶しているのか、微動だにしなかった。
空に浮いていたキルルはそれを確認すると、くるりと方向を変え右手を突き出す。
「ドロロ!」
ケロロが叫ぶ。その腹部から吸い出される白い球。
同じくタママやギロロ、クルル、ドロロ、ミリリからも白い球が吸い出だされていく。
動きが鈍ったギロロの手元から、剣が弾かれ地面に突き刺さった。
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