時を操る男
□−決意−
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「タムムは時空製造、イムムは時空管理。二体で一体となる私の兄弟分。間違いなくあの二人はタイムルーラーです。」
クルルと共にラボへ無事返還されたミリリが、ケロロにそう告げる。同じ古代兵器がそう言うのだ、間違いないだろう。
だがクルルは、タイムルーラーが破壊されたのは間違いないと言っていた。これは一体どういうことだろう。
その事について何か知らないのかとギロロがミリリに訊く。
しかしミリリは静かに首を横に振った。
「確かに私達はずっと、それこそ家族のように毎日を過ごしていました。ですがタイムルーラーの消去が決定されたのは、恐らく私達がペコポンに送られた後。…私はクルルの話を聞くまで、タムムとイムムが破壊された事すら知らなかった。」
(そして、第二のキルルも…――)
最後にそう呟いたミリリの顔が、哀しげに歪む。あぁ、似ているな、と冬樹は思った。
ミララに。ミルルに。そしてタムム達に。
「時空管理って事は、イムムの思った通りの事が時空内に現れるって事?」
サブローの質問に、ミリリは首をまた横に振る。
「管理するといっても、時空を現実世界と繋げたり、切り離したり、消去するだけ。時空の中身は一度作ると変更できないんです。」
「内容が変えられる時空を作るってのも…」
「不可能だと思います。」
それなら、少しは勝算あるかも。ニンマリと笑うケロロ程ではないが、ギロロ達も少し表情が和らいだ。
まっくら。まっくら。まっくろで、まっくら。
ずっと、ずぅっととおくまで、まっくら。
そのなかに、まっくろのなかに、はいいろがふたつ。
ぽつんと、ふたつ。
「…なぁ。」
ひとつめの、はいいろがいった。
「あいつらは、奴等と、違うんじゃないか?」
もうひとつのはいいろは、こたえない。
「ミリリは…キルルが倒されたのは、それがキルルの運命だったからだって、あいつらは悪くないんだって…」
「…つギ。」
もうひとつのはいいろが、しずかにいった。
「ツぎ、ヤつラをケすよ。」
ふたつめのはいいろのことばに、ひとつめのはいいろはだまった。
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