時を操る男
□−出現−
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「ちょっと、何であたし達まで?」
どうやら機嫌があまりよろしくないらしい夏美嬢と、その後ろに冬樹と桃華、小雪。
それに加えドロロを除くケロロ小隊の面々が、ケロロの令で地下基地に集結した。
ケロロ小隊だけならともかく、関わりのあるペコポン人まで招集された理由を考えあぐねているのか、皆訳が分からないといった表情を浮かべていた。
そんな人々を前に、バックにクルルを引き連れたケロロが、どうやら全員集まったようでありますな、と口を開いた。
「では諸君に問う。諸君は今日何をした?」
「…は?」
ケロロの言葉に、夏美が呆れたようにそう返す。
だがケロロのいつになく真剣な表情に押されて、部活の助っ人だけど…と呟いた。
「僕は西澤さんと、オカルト部内で発表会を…。そうだよね、西澤さん。」
「は、はい。」
冬樹に話を振られ、桃華がつっかえながらもそう頷く。
「私はドロロを探しに、竹やぶまで…」
小雪はそういい、寂しそうに俯いた。
やはりまだドロロは見つかっていないらしい。
「俺は銃の整備と、地下基地で射撃訓練をしていたが。」
「ボクは軍曹さんのお手伝いを…」
ですよね、軍曹さん、とタママがケロロに視線を送る。
だがケロロはそれに答える事無く、もう一度口を開いた。
「では諸君、昨日は?」
ケロロの言葉に、もう一度皆が考えるような素振りをし、表情が一変した。
信じられない、というように少し震えながら、まず口を開いたのは夏美。
「あ、あたし、昨日も部活の助っ人を…。一昨日も、その前も…!」
“タムタムタムタム......”
“イムイムイムイム......”
夏美が言い終わった瞬間、部屋のどこからか、聞き覚えのない共鳴が聞こえてきた。
静かな悲しみに満ちた声だった。
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