ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜
□エピローグ
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コンコンと、木製のドアをノックする。
入りたまえと言う声を聞き、ケロロはドアノブをひねり部屋へ足を踏み入れた。
ほわんと香る珈琲の匂い。そっとドアを閉めて、ケロロは椅子に腰掛けた上官と向かい合わせになるように、先客の男の横に立った。
ケロロが、そして先客の男が、ビシッと敬礼する。
「ジュバーク殲滅侵略部隊第十二小隊隊長、ケロロ軍曹であります。」
「対ジュバーク防衛編制部隊第一小隊隊長、ガルル准尉であります。」
「ご苦労、楽にしたまえ。」
「「はっ。」」
上官の言葉で、ケロロとガルルは両手を後ろで組み、足を肩幅に開く。
見事に揃ったその動作にも感心している様子など見せず、上官は用件を手短に話し始めた。
「民間人の死者は0。経済的損傷は6%…これが我がケロンの、ジュバーク大戦での結果だ。本国での戦闘が行われたにも関わらずこの程度の被害で済んだのは、特に軍曹、准尉の小隊の活躍があったからだ。」
感情のこもらない誉め言葉。お互い表情一つ変えず、話は進む。
「さて、ここからが本題だ。ケガの療養も兼ねた休暇の後、軍曹を隊長、准尉を副隊長として新たな小隊を結成し、先行工作部隊として秘境の地・ペコポンへ行ってもらう。残る三人の隊員は、この中から選びたまえ。」
言いながら、上官はケロロに青色のデータチップを差し出した。
ケロロはそれを受け取り、もう一度姿勢を「楽」にする。
「一週間後の同時刻、ここで私に報告したまえ。これは昇格より名誉な事だ。話は以上。」
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