ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜
□そのJ
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飛び交う銃弾。光線。刃物と刃物が交わる音。
転送されてきた手甲のようなもので左手を保護し、ギロロがひたすらビームライフルを撃つ。
壁や天井を蹴って、パルルは刀で襲い掛かる。ある程度距離が離れると、左手の銃だ。
クルルは左目のスコープを操作しながら銃を握っている。普通の銃じゃないのは一目瞭然だ。
ケロロはゼロロとタママに刃が向かないよう、守る事にした。
元帥は部屋に飾られていた刀を一本つかみ、パルルとやり合っている。
一瞬の隙を見て、元帥が自分専用の机の下に隠されたスイッチを押した。
ケロロたちの頭上に、巨大な檻が現れる。
元帥以外の生命体を感知して、閉じ込めるシステムなのだろう。
それにいち早く気が付いたケロロが、檻が降ってくる前に右手を天井に向けて叫んだ。
「巨大シールド形成!……結!!!」
一度右手を振り下ろし、もう一度振り上げた。と、同時に巨大なシールドがケロロたちの頭上に現れ、檻はシールドの上に乗っかった状態になる。
そしてクルルが、檻全てを転送した。
「…クルル、いいの?転送先宇宙警察だよね。」
「クックック…それよりさっさとシールド消しな。あんまり使うと、いざという時に使えなくなるゼェ〜?」
それもそうかと、ケロロは右手を横に振って
「解。」
と呟く。
その時だ。
「うわっ!」
一瞬の隙をつかれて、パルルが後方に飛ばされてしまった。
パルルが壁に叩きつけられた瞬間、元帥がパルルに向かって銀色に光る何かを投げた。
…短刀だ。
懐に隠し持っていた短刀を、パルルに投げ込んだのだ。
心臓めがけて。
キ…ン
ドシュッ!
「かはっ…!!」
鈍い音。血が、辺りに飛び散った。
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