ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜

□そのJ
1ページ/5ページ





飛び交う銃弾。光線。刃物と刃物が交わる音。

転送されてきた手甲のようなもので左手を保護し、ギロロがひたすらビームライフルを撃つ。

壁や天井を蹴って、パルルは刀で襲い掛かる。ある程度距離が離れると、左手の銃だ。

クルルは左目のスコープを操作しながら銃を握っている。普通の銃じゃないのは一目瞭然だ。

ケロロはゼロロとタママに刃が向かないよう、守る事にした。

元帥は部屋に飾られていた刀を一本つかみ、パルルとやり合っている。

一瞬の隙を見て、元帥が自分専用の机の下に隠されたスイッチを押した。

ケロロたちの頭上に、巨大な檻が現れる。

元帥以外の生命体を感知して、閉じ込めるシステムなのだろう。

それにいち早く気が付いたケロロが、檻が降ってくる前に右手を天井に向けて叫んだ。


「巨大シールド形成!……結!!!」


一度右手を振り下ろし、もう一度振り上げた。と、同時に巨大なシールドがケロロたちの頭上に現れ、檻はシールドの上に乗っかった状態になる。

そしてクルルが、檻全てを転送した。


「…クルル、いいの?転送先宇宙警察だよね。」

「クックック…それよりさっさとシールド消しな。あんまり使うと、いざという時に使えなくなるゼェ〜?」


それもそうかと、ケロロは右手を横に振って


「解。」


と呟く。

その時だ。


「うわっ!」


一瞬の隙をつかれて、パルルが後方に飛ばされてしまった。

パルルが壁に叩きつけられた瞬間、元帥がパルルに向かって銀色に光る何かを投げた。

…短刀だ。

懐に隠し持っていた短刀を、パルルに投げ込んだのだ。

心臓めがけて。


キ…ン

ドシュッ!


「かはっ…!!」


鈍い音。血が、辺りに飛び散った。








.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ