ケロロ小隊〜地球侵略開始までのプロローグ〜
□そのG
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あれから約一時間。少佐を倒したことはまだ知られていないらしく、相手の位置もわかるとあって、ケロロたちは一度も戦闘を繰り広げてはいない。
だが、敵兵を避けながらの移動は時間が掛かり、なかなかボスの部屋までたどり着けない。
だがようやっと、目の前にはボスの部屋の壁が。
「…一応着いたけど、どーすんの?」
超強化してある分厚い壁を目の前に、途方にくれるケロロたち。
この部屋への入口は、正反対の場所にある。
しかもそこまで行くのには、倍の時間が掛かりそうだ。
ケロン星にもジュバーク侵略軍が侵入している事もあり、それは避けたかった。
仕方なく、可能性を片っ端から試してみることにした。
「フゥ〜……タママインパクトォ!!」
タママの口から、光線が発射される。
壁は黒ずんだが、壊れた気配は全く無い。
「あ〜…やっぱダメでありますか。」
「やっぱ!?」
ケロロの呟きに、裏タママが反応する。
それを見てか、ゼロロはアサシン独特の構えを取り、
「次は…自分が…」
「え゛。」
嫌な予感がして、思わずケロロはマヌケで濁った声を発する。
「暗殺兵術、千秋ら…」
「ストォォォォォォォォォォップぅ!!」
構えた両手を前に突き出そうとするゼロロを、慌てて渾身の力でとめるケロロ。
「キンシって言ったデショ!?何聞いてたのッ!?」
ケロロがいつもより高いトーンで、怒る。だが、ゼロロは食い下がった。
「隊長!…自分は大丈夫だから…暗殺兵法を使わなければこの壁は…」
「でも、ゼロロさん――」
パルルも、心配そうにゼロロをとめた。
が、二人の温かい言葉に対し、あろうことかゼロロは、二人に冷たく言い放ったのだ。
「…自分はアサシンのトップと言われた身。ずいぶんと自分の事を甘く見ておられるようだが、無用な心配など要らぬ。」
と。
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