ノントルマの軌跡

□そのいちっ!
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ボクがまだ小学生だったころ、

地球は21世紀になった。

ノストラダムスの大予言もはずれ、なんとなく平穏な日々に戻ろうとしていた、

そんな2001年から約11年後…――。

まだボク…オレには、平穏な日々はかえってこない。




アンゴル・モアとノストラダムス




「うぁーっくそ!」


紙をぐちゃぐちゃにして、ゴミ箱に投げ捨てる。


「描けねぇ、オレには描けねぇーっ!」


紙くずだらけになった部屋で、オレは一人悲鳴をあげる。


「がんばってください、冬樹さん!てゆーか悪戦苦闘?」


そして恐怖の大王が純真無垢な笑顔でオレに微笑む。

日常茶飯事。



仕事:イラストレーター

将来の夢:漫画家

オレの横で微笑む女子高生風な女:モンゴル・モア

非常識が常識と化したころ、普通という言葉に絶交された。

そう、まだオレが小学生だったころは…――。


「何もの思いにふけってんだ、さっさと仕事しろ!」

「すいませんっ!!」


モアさんに怒られ、オレはまたペンを握る。


モアちゃんは二重人格だ。

裏の人格は、とてもじゃないけどモアちゃんとは呼べない。

どういう拍子で裏の人格に変わるかどうかは分からないけど、恐ろしくて逆らえない。

普段のモアちゃんから想像出来ないほど恐い。

そんな事を考えていたらまた怒られてしまった。

…うん、仕事しなきゃね。







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