小説
□純情ラヴァーズ
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や〜っとテストも終わったってのに、また頭を悩ませる事になっちまった。
***
「お前さぁ、神尾の事どう思ってる?」
ふと疑問に思った。唐突過ぎやしないかとは思ったけど、生憎俺の口はストップをかけたりするような気遣いは持ち合わせちゃいねぇ。
気になるんだから仕様がねぇなぁ、仕様がねぇよ。……………ん?気になる?何が?
「神尾君?………リズムかなー」
あははって、隣に座る橘妹の元気な声が聞こえた。だけど、その時既に俺の頭は混乱状態。
気になるって…神尾が?いや!それは断じて有り得ねぇ!確かにあいつとテニスの試合すんのは面白そうだけど…。
「ちょっと桃城君?」
俺の名前を呼ぶ声に顔を上げると、真ん中で分けられたおでこが目の前にあった。
「!!馬っ鹿、お前、ビビらせんじゃねぇよ!」
「何よ、桃城君が聞いてきたんじゃない」
橘妹は少し拗ねたみたいにそっぽを向いた。けど、本気で拗ねてるわけじゃないんだよな。暫くすると、ほら。
「桃城君、悩み事とかあるの?私で良ければ聞くよ?」
俺が質問した癖に他事考えてたのが悪いのに、俺以上に橘妹のほうが真剣な顔だった。