文
□もしも…
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もしも…
こんな事が有ったら…
楽しいんじゃないかと…
ある日目が覚めると妙な違和感に見舞われ、関口はモソモソと起き上がる。周囲を見回してみる…
と其処は自分の何時も寝ている場所とは違う。否、家自体が違うのだ。自分の家にこんな部屋は無い。驚いた関口は慌てて別の部屋へと向かう。この家の住人を捜す為である。
という事は、自分は勝手に人様の家に上がり込んでおいて眠りこけていたという事になる…御丁寧に布団まで引っ張り出して…である。
本当に自分がこんな事をしたのだろうか…?さっぱり記憶に無い。
…重症だ…。何も覚えていない…。僕は夢遊病にでもなってしまったのだろうか…?
関口は考える。が、解る筈も無い…
混乱した頭に漸く周囲に目を向ける余裕が出て来る…
瞬間。
『ハッ』とする関口。
この見覚えのある本の山山山…此処は京極堂だ…
でも、何故僕は此処にいるのだろう…?不思議だ。
そうこうしていても始まらないので何時も京極堂がいる和室に足を運んでみる。其処にも誰の姿も見えない。どうしたのだろう…