□狂い人壊れ人愛し人10
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実際私はかなりよがっていたと思うし確かに悦かった。それはそうなのだが…矢張り丸め込まれている。
「…じゃあ、本当に触るだけなら…」
甘いと思いつつも快感に弱い私は少し位なら良いかと思ってしまったのだ。私の駄目な所である。流され易い。
「では、遠慮無く」
そう言う京極堂は何か美味しいものでも戴くみたいな口調である。
 再び昨夜と同じく押し倒された私は京極堂の為すがままだ。今日は昨夜よりは私に抵抗が無い所為か流れが少しスムーズな気がする。私は胸の突起を弄られると堪らなくなってしまう。どうやら京極堂に開発されてしまった様だ。…悔しい。
「じゃあ僕も君のを口でしてやろう」
そう言う京極堂は私のも勃っていたのが判ったのだろう。…というより私のも勃たせて触る口実を作っただけなのかもしれないが…。仕方が無いので私も
「あぁ…頼むよ」
と言うより無かった。完全に京極堂のペースだ。いや、今迄に私のペースだった事というのも有った訳では無いのだが、これでは京極堂ばかりが良い思いをしている気がする。何だか納得がいかない。
「何だ、変な顔して関口君。何か気になる事でも有るのかね?!」
…誰が変な顔だ…
「変な顔は生まれ付きだよ。余計なお世話だ」
憮然として答える。
「誰もそんな事は言っていないよ。表情の方だ。君は可愛いよ、つい苛めたくなる」「…苛めたくなるって…それは褒めていないじゃないか。全く…」
…何という言われ様だろう…この男を失礼と言わずして誰を失礼と言うのか
「まぁそれは良いとして何か考え込んでいる様だが」
…良くないよ…と思い乍らも
「いや、この旅で良い思いをしているのは君ばかりじゃないか…と思ってね」
「…馬鹿だな君も。そんな事を考えていたのかい?!僕ばかりが良い思いをしてるって?!宿代は僕が出すと言っているんだし温泉にも大いに喜んでいたじゃないか。それに昨夜もあんなに奉仕してやったじゃあないか。君も大層悦さそうに哭いていたぜ。目に涙を溜めて僕にしがみ付いてきたりして。あれはうん、本当に可愛かった。あれのお陰で僕は止まらなくなったんだ」
そんな事を言って一人納得している。
「………そんな事知るか〜!!!!」
私は大声を出していた。
「僕はもうその所為で躰のあちこちが痛いし辛いし声だってこんなに擦れてしまって…一体誰の所為だと思っているんだ!!」

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