□狂い人壊れ人愛し人9
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「でも大丈夫だ。君が口でしてくれるというだけで僕はもうはち切れんばかりだから。…今更辞めるなんて言うのは無しだぜ」
釘を刺されたという事は私が迷っているのを見越しての事だろう。これでもう私は後に引けなくなった。…私は覚悟を決めた。
「ほら京極堂。ここに座って」
私は目の前を指し示す。私は体が辛くて自分で移動する事が出来ないからだ。京極堂は素直に私の目の前に胡坐をかいて座った。私は緊張して震える手で京極堂の浴衣の裾をはだけた。下着越しに勃っているのが見えて息を飲む。布越しに触れてみる。ビクリと動いた。…大きい。震える指で下着をぎこちなく外してゆく。京極堂が息を飲む音が静かに聞こえた。生身を晒したそれを優しく手で包み、昨夜京極堂が私にした様にシゴいてみる。熱い。
「…っ…んっ…」
京極堂が声を上げた。この男のそんな声を聞くのは勿論初めてで私は何だか面白くなって京極堂の声にあおられる様に更にシゴいた。京極堂の荒い息遣いが聞こえる。益々楽しくなってきて私は顔を近付けてそれに口付けペロリと舐めた。
「…っふっ…」
やはり京極堂も感じているのだ。思い切って口に含んでみる。やはり大きい。そしてそれを吸ってみた。
「あぁっ……」
京極堂も案外色っぽい声を出すのだとその時初めて知った。私は調子に乗ってそれを舌で、唇で男の悦い部分を刺激する。すると京極堂のそれはビクビクしだし、突如ヌメる液体を放出した。達したのだ。その時運悪く喉の奥に先が当たっていたので私は大いにむせてしまった。京極堂はそんな私の背中を撫で乍ら
「何だ、関口君。案外上手いじゃないか」
と言うので、私もむせ乍ら
「僕も男だからね」
と言って意味無く威張った。
 漸く咳が治まってきた所で京極堂はこんな事を言い出した。
「関口君。君の事も触りたいのだが構わないかい?」
昨日の今日で何をか謂わんやである。
「僕の事は昨夜散々触っていたじゃあないか。まだ不満なのかい?!」
「どの位触れたとしても僕は満たされない。強いて言うなら触れている時は満たされているかな。つまりは何時でも触れていたいと言う事だ」
この男はいけしゃあしゃあとそんな事を言う。私は呆れてしまった。昨日今日で京極堂の今迄のイメージが随分変わってしまっていた。
「触れるだけだ。無理はしないから。君だって昨夜はかなりよがっていたじゃあないか。悦かったんだろう?!」
…まぁそれは嘘ではない。

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