銀色旋律
□君なき世界が紡ぐ詩
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―――世界は詩で満ちている
満ち引きで起こる潮騒の音、風が揺らす樹々の音、足音や生活音さえもが調和しあい
時には楽しい詩、またある時には悲しい詩を奏でている
僕の世界は君と出会った瞬間から恋の詩を奏でていたのに、今では絶望の詩しか奏でない
どんな事があっても生き抜いてほしい
君と交した最後の約束は、優しくそして残酷に僕を蝕む
君のいないこの世界で何に喜べば良いのだろうか、何を歓べば良いと言うのだろうか
ただいつか君以外の誰かと、この世界が奏でる恋の詩を聴く日が来るのを恐れているんだ
二人で歩んだ確かで限りある日々は歓喜の詩を奏でていたのに、今では夢や幻のようにあやふやでハテのない道を孤独の詩を聴きながら一人歩んでいく
もし叶うと言うのなら、ほんの一瞬でも良いから、もう一度君と共に世界の紡ぐ詩を聴きたい
そんな幸福な刻は二度とは訪れないとわかっているけれども、愚かな僕は願わずにはいられない
君に再び巡り逢う刻を夢にみて、僕は君なき世界が紡ぐ詩を聴きながら、ムゲンの世界を彷徨い歩いて行く
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名前が出てこないので、これの何処が銀、魂?と思われるかもしれませんが、まあ、土方さんをなくしてしまった銀さんの想い、と思って読んでください。
2007.9.11.