七色旋律

□不幸なことは続けざまに起こるもんだ
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「私はね、五郎左衛門様に連れられて仕方なく来たのよ。悪五郎様と下らない争いばかりしてるのよ」

「下らないとは何だ魔王を決める大切な勝負だぞ」

五郎左衛門を無視して愚痴りだした雪女だったが、一頻り喋ると再び土方に熱視線を送りながら

「でも貴男みたいな方にお会いできるなんて思わなかったわ!ねぇ、氷付けにしていいかしら!?」

その余りの言葉に土方は寒いの苦手だから、とか適当な断りを入れながらじりじりと縁側に続く障子まで下がれば雪女もじりじりと距離を詰めてくる

「お雪、気持ちは分かるが今日は人間を驚かせる数を稼ぎに来たのだ。次に行くぞ」

そこへ五郎左衛門の制止が入り

「分かりましたよ。またね、美男子さん」

という雪女の声と共にすぅ、と姿を消した。その瞬間

スパァン

と小気味良い音を立てて土方の真後ろの障子が開く

「副長!これ見て下さいよ!!」

ろくな反応も出来ずに座ったまま唖然と見上げる土方が見たのはミントンを持って興奮気味な山崎だった

「あれ、副長どうしたんですか?」

「…てめぇこそ、そのミントンはどうしたんだ」

山崎の出現に冷静さを取り戻した土方だったが、次の言葉を聞いた瞬間

「あ、そうでした!見て下さいよ。これオニューのミントンで…」
「そんなこと聞いてねえぇぇえ!」

キレた

そして土方は怒声と共に山崎を庭へ蹴り出しマウントポジションを取りいつものように殴りつけようとして手を止めた

「…山崎、何が可笑しいんだ?」

何故かニヤニヤ笑っている山崎は慌てて怯えた顔を作り

「すみませんすみません!土方さんに乗っかって貰って嬉しいとか思ってませんから!」

「キモッ」

何だか急に恐くなった土方は慌てて山崎の上から退くと、山崎のすぐ横に爆音と共にバズーカの弾が着弾した

「土方さん、避けるなんて酷いじゃねぇですか」

「いや、当たったら死ぬだろ」

やはりと言うか、弾が飛んできた先にはバズーカを持った沖田の姿があった

「そう言わずに、俺の愛、受け取ってくだせぇ」

「どんな愛だぁぁぁあ!」

照準を合わせる沖田に土方は叫びながら今日の仕事は諦めて外へ逃げ出した



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