朔月秘話
□修羅
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江戸の街に突如現れた天人。
発達した科学力の前では、人はあまりに無力で。
時の幕府は、恭順を強いられていた。
しかし、それを良しとしなかった者達が立ち上がった―――侍と呼ばれる者達だ。
やがて、その戦いは、攘夷戦争と呼ばれ、幕府の裏切りにあうまで、彼らは善戦していた。
その侍達のなかに、二人の鬼が存在した。
白き衣を身に纏い、常に仲間の先頭に立って闘う―――白夜叉。
黒き衣に身を包み、常に白夜叉に付き従うかのように傍にいる―――修羅姫。
やがて、修羅姫の姿は攘夷戦争のさなかに姿を消し、白夜叉の姿もまた、攘夷戦争終了を境にその姿を消してしまった。
しかし、その姿は、戦争に参加した者達の脳裏に刻まれ、今尚、攘夷を志す者達の憧れとして人々の心に残っている。