しょうせつ

□やさしい地球
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ふと視線を落として、アレンは呟いた。



「不思議ですね。まるで気付かないようにしてくれてるみたいです」

「え?」

「地球が僕らが困らないように守りながら回ってくれてるみたいに思えませんか?」


―――それは


「僕らに朝と夜を交互にくれて、僕らが振り回されたりしないように、そしてそれを気付かれないようにそっと…まるで守ってくれてるみたい。」


―――その考え方は


「地球は優しいですね」


―――君の優しさ


そんな風に考えられるのは君が優しいから。

そして、それはそのまま君の優しさ。

人を守り、生かすような優しさ。


「アレンは優しいさね」

「…は?なんですか、急に…」

「いや、今すっごくそう思ってさ」

「意味がわかりません」

「んー、そう?」

ラビはアレンを抱き締めた。



その優しさに君は気付いてない。

守るようにしてくるくる回る。守るためにくるくる回る。
ずっとずっといつまでも。



でも俺は気が付いているから―――

動けないくらいぎゅっと抱き締めて、君の安息を願う。

君の優しさに一時の休息を…と。
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