しょうせつ
□スクラップ
1ページ/3ページ
「ラビはドコの国の血を引いてるんですか?」
「ん?なんさ、急に」
「いえ…眼の色が綺麗だと思って、どの地域の人種の特徴なのか訊いてみたんです」
ラビは優しそうに微笑んだ。
「ありがとさ。綺麗だなんて言ってくれて」
「いえ、そんな。お礼言われるようなことじゃないです。ただ本当にそう思っただけなんですよ」
ラビはアレンと並ぶようにしてベッドサイドに腰を下ろした。
二人の顔が接近する。
「うん。それが嬉しい」
ラビの言葉にアレンの顔が赤らんだ。
「でも、ごめん。それは言えないさ」
「…それは“ブックマン”だから?」
「それもあるし、俺はいろんな人種の血を引いてて、これが何処の地域の特徴なのかは曖昧だから」
「そうなんですか。いろんな血を…」
「曖昧で中途半端で俺らしいだろ」
セリフが自虐的だったかな?とラビは思った。
顔はいつもの軽い笑顔。
こんな風に言ったらアレンは気にするかな…。
気にかけてほしいのかな?
自分の言葉の意図が掴めない。
俺はいつからこんな弱くなったんだろ…。
こんなこと言って…自分で言った言葉の意図すら分からないなんて…。