しょうせつ

□スクラップ
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「ラビはドコの国の血を引いてるんですか?」



「ん?なんさ、急に」

「いえ…眼の色が綺麗だと思って、どの地域の人種の特徴なのか訊いてみたんです」


ラビは優しそうに微笑んだ。


「ありがとさ。綺麗だなんて言ってくれて」

「いえ、そんな。お礼言われるようなことじゃないです。ただ本当にそう思っただけなんですよ」


ラビはアレンと並ぶようにしてベッドサイドに腰を下ろした。
二人の顔が接近する。


「うん。それが嬉しい」


ラビの言葉にアレンの顔が赤らんだ。


「でも、ごめん。それは言えないさ」

「…それは“ブックマン”だから?」

「それもあるし、俺はいろんな人種の血を引いてて、これが何処の地域の特徴なのかは曖昧だから」

「そうなんですか。いろんな血を…」

「曖昧で中途半端で俺らしいだろ」


セリフが自虐的だったかな?とラビは思った。
顔はいつもの軽い笑顔。

こんな風に言ったらアレンは気にするかな…。
気にかけてほしいのかな?

自分の言葉の意図が掴めない。
俺はいつからこんな弱くなったんだろ…。
こんなこと言って…自分で言った言葉の意図すら分からないなんて…。
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