短編

□春眠とテスト(上)
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「あ…おはよーございます」

時間は間違っているが、一応あいさつをしておく。慎吾さんだし。

「おはよーって…お前、今何してるか分かってる?」

何してたんだっけ?

たぶんポカンとした顔をしていたのだろう。
慎吾さんは半分呆れた様子で頭をかりかり掻きながら、俺の腕の下にひいてあるものを指さした。

頭に「?」マークを浮かべながら腕をどけてみると、そこには英語の教科書と参考書の海。
しかもよだれの痕のオマケつき。

「あ……あああ!」

思わず上げた自分の大声に、自分が一番驚いた。

「目、覚めたかー?」
「…うっす」

「ちなみに、ここどこだー?」

とりあえずあたりを見回してみる。
窓から見える景色は見知った風景だった。

「と、図書室です」
「よくできましたー」

「…す、すみません!」
慌てた勢いで頭を下げたら、額を派手にぶつけてしまって、辺りに鈍い音が響いた。



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