短編

□ふたり
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俺はお前しか見てないのに、どうしてお前は俺だけを見てくれないんだ?
こんなの俺のわがままだってことは分かってる。

だけど、想うぐらいは許してくれよ…。


「で、最後は今日のミーティングのことだけど…」

外は夕暮れ。
もう誰もいない教室で、いつものように2人で打ち合わせをする。

練習のメニューの内容、練習試合の日程、その他決めなければいけないことがたくさんあった。

正直疲れた。

そう思って、メモを取っていたノートから正面に視線を移すと…。

「あれ…こいつ、いつの間に…」

俺の目の前で寝ているこの坊主頭は、いつから俺の話を聞いてなかったんだろう。

さっきから打ち合わせをしていたのに、寝てるって…。

俺は思わず苦笑いをして、そしてため息が出た。

田島じゃあるまいし…。
キャプテン…しっかりしろよ。

内心そう思ったが、それだけ疲れているのだろう。
ここは寝かせておいてやる。
ただし30分だけだけどな。

「いつもお疲れさん」

寝ている花井に話しかけてから、俺はノートを静かに閉じた。



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