短編

□春眠とテスト(上)
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ぱたぱたとカーテンが風になびいてる。
その布と風が交り合う音に耳を澄ませながら、頬に当たる風を感じていた。
澄みきった青い空をバックに太陽は少し傾いていて、ちょうどいいかんじで昼寝ができる時間帯。
まさに、うららかな陽射ってのはこういうことかと実感させられる。

「和さーん!これってどうやって解くんすかー?」

突然、隣から大きな声が聞こえてきた。

「利央…それぐらいわかってくれよ」
「無理っす!俺バカなんで!」

うう、これじゃうるさくて寝てられないじゃないか。
突っ伏して両腕に埋めていた頭をさらに深く埋める。

「おい、迅」

あ、なんか体が揺らされてる。
肩と腕のあたりをゆさゆさされて、徐々に感覚が戻ってくる。

「じーんー起きろー」

なんだよー。人がせっかく気持ちよく寝てたのに…。

肩を揺すられる力が強くなったので、仕方がなく眼を開けることにした。

「おーきーろ…ってやっと起きたか」

俺の向かい側に座ってゆさゆさと揺らしていたのは慎吾さんだった。



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