計画的彼氏、彼女。

□始動、指導
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無理です。

そう決心したあたしは、やっぱり今日はそっと帰ることにしました。

言い訳はいくらでもあとからつくでしょう

ほら、先生に呼ばれちゃったとか

お腹が痛いとか




「お嬢さん」


「なんとかなるわ、って、…え?」


「お腹、痛いとか言ってる割りには笑ってますけど?」


「え、喋ってた?あたし」


「ええ、もう気持ち悪いくらいに」




にこやかに笑いながらあたしの手から剥ぎ取った外靴を荒々しく靴箱に戻す。




さすがに腕を引いて連れ去ることは

帰宅生徒も多い玄関先ではためわられたようで

人質のように鞄を持っていく。




「あ、ちょ」


「待ってたんだけどさ、理科室で。あ、こないなと思ったら案の定」


「…」



さくさく歩く神についていく。

校舎と校舎の間の、誰も来そうにない細道





「傷ついちゃったな、おれ」


「ごめんなさい」


「ま、分からなくもないけど」


「なにを、話したらいいか分からなくって」


「うん」


「ちょっとまとまってから、話しようと思って」


「そんなことだろうとは思ってたよ」


「…」


「でもさ」


「?」


「その前に、あいたくなったりしなかったの?」
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