計画的彼氏、彼女。
□ドール、ドースル?
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体育館に一人、いつものシュートをこなしていたら
「まだやってたのか」
「牧さん」
後から声を掛けてきた牧さんはもう
制服に着替え終わっていて
わざわざ自分に会いに来たのだとしたら
「…なんですか?」
なにか、話があるのだろうとそう思った。
「彼女可愛い子だな」
「まあ、そうですね」
「気品があってなのに気取らなくて」
「…はあ」
「俺はな彼女を悲しませたくない。そう思ってる」
「牧さん、なにが言いたいのか」
「じゃあ、単刀直入に言うぞ。これ以上名前ちゃんを苦しめるな」
「…!」
「本当は俺が入る話じゃないのは分かってるがあれ以上彼女が泣くのは嫌なんだ」
「名前のことが好きなんですか?」
「そういうのとは違う、ただ」
「ただ何だって言うんですか!」
つい、荒げてしまった
ふう、と牧さんのため息がもれる
「そう噛み付くな」
「噛み付いてません」
「…彼女を気持ちを知ってて、おもちゃのように扱うのはやめてほしい。それだけだ」
牧さんの言っていることは正しいのかもしれない
だけれど自分には、まだ秘めてる気持ちがあるんだ
ただ名前にも、牧さんにも伝えていないそれだけのことで