越野宏明

□小さな恋の物語
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放課後のクラスにあたしと越野

二人きり。




っていっても、ムードとかはなんもないんだけどね。



あたしは剣道部の友達待ってて

越野は先生に呼び出された仙道君をまってるらしい。




他愛ない話もつきちゃってあいつおそいなーなんて携帯を見ながら暇をつぶしていたら


「なあ」


「んーなんだい越野」


「俺って小さい?」


「…」


「おい、やらしい想像してんじゃねえぞ。どこガン見してんだこら」


「あはは、冗談。で、なにが小さいって?越野の肝の小ささとか?」


「お前な…!」


越野はからかうと面白い。今判明。


「身、長!小さいと思う?」


「え、背ー?普通なんじゃない?仮にもバスケ部だし」


「仮にもじゃなくバスケ部な。最近小さいって言われるんだよ」


「えー誰からよ」


「特定の女子から」


「それって仙道君絡みでしょ」


「あーそうかも。”仙道君のお友達の小さい人だー手紙渡しておいてくだサーイ”ってな感じ」


越野が仙道君の取り巻き女子さんの真似をするもんだから(結構似てる)うけた。



「そらあんなでかい男がさらに頭つんつんさせてんだから
隣にいる人間は相対的に小さく見えるわな」



「…なるほど」


「気にすんなーお前は十分でかいよ。
それか小さいやつと絡むとかだね」


「小さいやつって?」


「…え、そら越野より小さいやつはいっぱいいるよ」


「お前は?」


「あたしぃ?」


「お前がいい」


「…こし、の?」


「俺の隣にいつもいてよ」


「え、え?」


「意味わかる?」



攻めろ!越野
(ねえ、どうなんだよ。返事は?)
(え、ちょっと待って、えぇ?近い、近いよ越野!)
(大人しく俺の隣にいろよ。幸せにする)

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