計画的彼氏、彼女。

□弾丸、傍観
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学校へと続く一本道は生徒ばかりだ。





誰も、気付かない程度に

髪を切った。


バスから降りた時にはもう雨は止み

あの独特な匂いがコンクリートからしていた。

別に、涙は出なかった。







「あ、名前さんだ!神さん!名前さんです!」


「朝から人の耳元で騒ぐなんて、相変わらず元気が良くていいね、のぶ」


「…すんません」


「ふふ、おはよう宗一郎、と清田くん」


「へへ、おはよっす!」


「…おはよう」






わざとらしく目を背ける神宗一郎が

傷つくというより、物珍しくて

くすくすと笑ってしまう





「なに、人の顔見て」


「だって、おもしろいんだもん宗一郎くん」


「あ、俺ジャマっすね、へっへ」


「あ、待てって、のぶ」




俺だって、気ーくらい使えるんすよ

とでも言いたいのか

ばちっとウインクをして走り去っていった





「…」


「ね、元気ね、後輩くん」


「元気すぎて困るよ、ったく」


「あたし低血圧だからうらやましい」


「俺ものぶ並に朝からエネルギー使ってたらばてるよ」


「あはは」


「…」


「君の思っていることを当ててあげようか?」


「は?」


「ちゃんと付き合うなんて勘弁、でも今になって破局なんて噂流れたらメンツに関わるしまた取り巻きがつけこんでくる、と」


「まぁ、そんなとこだけど」


「いいよ、このままで」


「…」


「振り向かせれば、いいんでしょ、つまりは?」


「なに、いってんの」


「頑張るわあたし、じゃお先」


「おい、」









宣戦布告。

きっと傷ついてる暇なんて、

この恋にはないのだと思う。
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