計画的彼氏、彼女。

□運命、不明
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ぱつん、と鳴ったゴールのネットの音が

まだ耳元に残ってる。





「…名前」





指の先の先まで綺麗だなんて

あいつ、本当に男なのかしら。





「ねぇ、名前」


「はぁ…」


「ため息つきたいのはこっちなんだけどな」


「え」


「僕を無視するなんて君、何様?」





そう、冷笑を浮かべ小声で言う。





「あ、じ…、宗一郎くん!やだ、いたの?」


「あはは」


「うふふ」


「ちょっと、…いい?」


「…はい。」







そう言われて廊下に出る。


神が私のクラスに出入りするのは

もう大分見慣れた光景になっていて、

まさしく「公認の仲」ってやつになっている








「なに、憂いさでも出してマドンナ度アップさせようとでも思ってんの」


「そ、んなんじゃないわよ」


「実際かなり男子の注目集めてたけど?」


「…あ、あたしにだって考え事があるのよ」


「そ、どうでもいいけど」


「どうでもいいって言わないでよ!」


「はい、これ」


「はい?なにこれ、…ブドウ糖とドリンク?」


「今日それ持って部活来て」


「は?」


「最近さー、出待ちが多いんだよね。」


「で、これとなんの関係が?」


「ま、分かるから、ね」







そういってぽん、とあたしの両肩に手を置いて

にこやかに去っていった。




肩に手が触れるとき、一瞬びくっとなってしまった

気付かれてないと、いいんだけど。
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