計画的彼氏、彼女。
□衝動、鼓動
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「いいよ」
「え、いいの?」
「苗字が言い出したんじゃないか、部活見てみたいって」
「いや、そんな簡単に了承されるなんて思わなかったから」
お決まりの別棟第二理科室にて
この涼しげな顔した男に毎回振りまわされるのも癪だから
「バスケ部、見に行きたい」と言えば
あっさりOKサインが出る始末。
「恥ずかしくないの?仮にも彼女が見に行くのよ」
「仮だから恥ずかしくない」
「くっ…(この減らず口め)」
「別に常にギャラリーはいるんだし構わないよ」
「そう、わかったわ。じゃあ好きに見に行くわ」
「今日は?折角だから一緒に」
「一緒に…?」
「お嬢様にはVIP待遇をしないとね」
なんて、くえない笑顔を身につけて
放課後の予定を組み立てて
やっぱり涼しげに理科室をあとにした神宗一郎。
「なにがお嬢様よ」
(本当、くえないヤツ。)