短文

□IKEMEN NOTE
4ページ/13ページ

「お前もメスにはほとほとうんざりだろ?」

「ああ。頭の悪い子が多いからね」

「俺たちはイケメンだから女にモテるのは当たり前。だから女の数で勝負してもつまんない。」

死神界とやらにも女が居るのか…と月は思った。


「だからこのノートでホモにした男を、どれだけ落とせるか勝負ってわけか」

「そゆこと」

「僕は男相手だろうがきっとモテるよリューク」

「だから面白いのさ。死神界から見てたけど、人間界にこの俺様の敵になれるようなイケメンは月、お前くらいしか居ない」


「ふふっ…そうだろうね…じゃあリューク、勝負だ!」

「おうっ!」


月は頭脳明晰である筈だが、自分のイケメンさのこととなるとお馬鹿である。


退屈だった月にとって、自分にそっくりな死神とイケメン勝負とは…恰好の退屈しのぎであった。



「リューク、ちなみにこのノート…元々ホモのやつに使うとどうなるんだ?」


「元々ホモの奴には何の効力もない。それに俺が見ればホモかそうでないかすぐ分かる」

「どうやって?」

「死神の目には…人間の名前と性癖が見えるのさ」


「性癖…?」


「例えば月、お前の頭の上には

夜神 月

基本:ヘテ
ロセクシュアル

同性愛:可(攻のみ)
その他:かなりのサディスト

と書いてある」


「…まあ間違ってないけど、そんなの見えてもな…もっと死神らしく寿命とか見えないの?」

「ん〜…まあ等級が高い死神には寿命とか見えるんだけど…俺は死神大王のじじいに嫌われてるからな」


こんな工ロい透視能力しか与えられてないなんて…さぞ問題児なんだろうな、と月は思った。





その日月は、まずは自分の通う高校の男子生徒全員の名前をノートに書いた。


そして翌月曜日、早速リュークとイケメンバトルを繰り広げた。

結果は男子生徒326人中
月:163 リューク:162で、僅差で月の勝利。
月の高校で唯一元々ホモだったA組の岩沢は、月もリュークも近付くのが嫌だったので数に含まれなかった。


「月…やるな」

「リュークもなかなかじゃないか」

「やっぱり勝負の相手が月で良かったぜ。あ、そろそろそこに書いてないルール教えてやるよ」

「そういうことは早く言えよ」

「だって月の学校の男は顔も名前も分かるだろ。そのノートの効力は、書くときに対象者の顔と名前が頭に入ってないといけない。ゆえに同姓同名の人物はホモにならない」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ