短文
□massage
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「はっ…ぁん…」
夜中にそんな声が聞こえて、ミサは目を見開いた。
昼間のライトとの時間が足りなくて、ついライトの居る部屋の前まで来てしまったのだ。
昼間と変わらず、ライトと手錠で繋がれた邪魔者は居るだろうが、この時間ならまだ2人とも捜査に没頭しているだろう。
懸命にキラを追うライトの鋭い眼差しが、ミサはたまらなく好きだった。
キラを崇拝してはいるが、ライトは彼女にとってそれ以上だった。
尤も、ミサもライトも共に記憶を無くしているだけで、ライトがキラであることに変わりは無いのだが…
相手にしてくれなくても捜査中のライトを眺めていようと思っていたミサは、この部屋のドアノブに手をかけるべきか否か迷っていた。
(さっきの声は一体…)
笑い声とも話し声とも、怒号とも違う明らかに秘め事の時に出るようなその声…
(…まさか、ライトが他の女と!?)
そう思って血の気が引いたミサだったが、すぐにそれは無いと思い至る。
ここには自分以外の女性は居ないのだ。
監視カメラだらけの屋内、セキュリティーが厳重なのは誰の目にも明白だった。
簡単に部外者が侵入してこれるとは考えにくい。
それに何より、ライトは今一人きりになる事の叶わない身だ。
竜崎と、24時間繋がれているのだから。