短文

□discord
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美しき死神の顔は

朝日を帯びようとも、その眼差しから溢れ出る紅き光を消す事なく

瞼を細めようとも、光は立ち消えるどころか、一層強さを増し


瞳に捕らえられたもの、全てを焼き尽くすのだった


朝焼けより遙かに


紅い紅い、死神の瞳

捕らえられたのは


死神に心酔した、哀れなる人間。



discord




「これはあなたのものですから、お返しします」

「ニア…自分がしたことを分かってるのか?」

「ええ、分かってます。Xキラを3日間、睡眠と食事を採らせず水分のみを与え、監禁しました。」

「犯罪だぞそれは…魅上を殺す気だったのか」


「いいえ、殺すのなら3日もかかる訳ありません。」

「……無事なのか」

「もちろん。2日目からは元気に、自分から腰を降ってました。…そのまま返してはあなたも気持ちが悪いでしょうし、ジェバンニが隅々まで綺麗に洗っておいたので、ご安心を。では、また連絡します。」

「ニア…!」


一方的に回線は遮断された。尤も、ここは捜査本部ではなく、月の自宅である。

ニアにはそのくらい訳無いのだろう、自宅の電話に直接かかってきていた。


3日前、唐突に魅上と連絡がつかなくなった。


月は焦った。高田亡き今、ノートは魅上が貸し金庫に入れて保管している。


Lが居ない退屈さからか月は魅上に裁きをさせるだけではなく、気紛れに呼び出し上京させたり、電話でも頻繁に連絡を取るようになっていた。

魅上はL程ではなくとも月が退屈しない程度には頭脳も優秀で、容姿も悪くない上面白い程に従順だった。

すり寄られることには飽き飽きしていた月だが、頭の悪い女や自分を満たす為、完全無欠な月を手に入れようとする女と違い、魅上の月に対する忠誠心は完全なるものだった。

魅上は自己の損得を全く念頭に置かず、常に月の意志を汲み取り、月の思うまま、欲しいままに行動した。魅上は月の強い嗜虐心や性欲までも満たしていたのだ。


高田を殺害後、ニアの動きが止んだ。最初は警戒していたものの、Lを失って空いた穴を埋めていくように、月は魅上を呼び寄せ、自らの思うままに支配し、奉仕させた。



だがニアは、動きを止めていたのではなかった。


魅上を尾行、追跡し、表向きは沈黙を守りながら、水面下でキラとXキラの繋がりを徹底的に調査していたのだ。
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