ネタ帳
□地を這う鷹
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AC
身体に強い衝撃を受け暫く硬直する。
反射的に閉じた瞼を持ち上げれば、見渡す限りの青、青、青。
そこには俺を見下ろし、意地悪く笑うアイツはいない。
空遠く、虚空の彼方へと飛び立ってしまった。
幾ら手を伸ばしても、もうこの手が届く事はない。
嗚呼、どうすればお前とまた、肩を並べられるだろうか。
……いや。それは一生無理だろう。
隻翼となった俺は、もう飛び立つことは出来ない。
追いつくことすら。
なら、俺はアイツの拠り所となれないだろうか。
迷わず帰ってこられるように。
俺が此処に居ると判るように。
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