THE ENDLESS WORLD

□第3夜
1ページ/1ページ



 クロス曰く、"発動"と念じるだけで良いらしいが。

(嘘っぽいな………)

 とはいえ百聞は一見にしかず。
 言われた通りに少年は心中で"発動"と呟いてみた。
 すると途端、背中に奇妙な違和感が生じた。

「ほ〜う」
「え……うそ………」

 見るとそこから純白の何かが生えてきていて、引っ張ってよく見てみるとそれは翼だった。
 少年は瞠目した。

「クロスさん、俺天使になっちゃった!?」
「んなワケあるか。それがお前の発動したイノセンスだ」
「これが………………武器?」

 その形状から、『武器』というには程遠いものだった。

「見た目がどうあれ、イノセンス……武器である事に変わりはない」
「へぇ………」

 試しに動かしてみる。
 最初はぎこちなく、どう動かせばいいのか分からないまま適当に動かしていた。
 だが暫く広げたりたたんだりしていると、段々扱いに慣れてきた。
 白く光りを反射するそれは、広げると自分の腕よりも少し長いようだ。
 ある程度慣れたところで、男は少年に質問をした。

「そういや、名乗っただけで名前を聞いてねえな。
 お前、なんていうんだ?」

「……リウ。
 リウ・ストラス」


 これが、リウとクロスが初めて出会った時の会話。







 始まりの、唄









 ―…‥…―…‥…―

実はリウの子供時代の話←

.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ