THE ENDLESS WORLD
□第3夜
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クロス曰く、"発動"と念じるだけで良いらしいが。
(嘘っぽいな………)
とはいえ百聞は一見にしかず。
言われた通りに少年は心中で"発動"と呟いてみた。
すると途端、背中に奇妙な違和感が生じた。
「ほ〜う」
「え……うそ………」
見るとそこから純白の何かが生えてきていて、引っ張ってよく見てみるとそれは翼だった。
少年は瞠目した。
「クロスさん、俺天使になっちゃった!?」
「んなワケあるか。それがお前の発動したイノセンスだ」
「これが………………武器?」
その形状から、『武器』というには程遠いものだった。
「見た目がどうあれ、イノセンス……武器である事に変わりはない」
「へぇ………」
試しに動かしてみる。
最初はぎこちなく、どう動かせばいいのか分からないまま適当に動かしていた。
だが暫く広げたりたたんだりしていると、段々扱いに慣れてきた。
白く光りを反射するそれは、広げると自分の腕よりも少し長いようだ。
ある程度慣れたところで、男は少年に質問をした。
「そういや、名乗っただけで名前を聞いてねえな。
お前、なんていうんだ?」
「……リウ。
リウ・ストラス」
これが、リウとクロスが初めて出会った時の会話。
始まりの、唄
―…‥…―…‥…―
実はリウの子供時代の話←
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