桎梏の悪魔と花嫁
□満月-full moon-
1ページ/2ページ
『奴は今夜、やって来るそうだ』
『それは本当か?』
『間違いない。なんせ今夜は満月だ』
『そうか、今日だったか』
『満月の真夜中、奴はお目当ての人の所へ行く』
『だが、それは確かなのか?』
『これは昔からそうだった』
『奴は数年に一度、満月の夜とその前後にのみ街に堂々と現れる』
『満月の前日にふらりとあてもなく現れ、美女を探す』
『そして見付けたら、次の日に屋敷へ連れていって殺す』
『だがその前に、俺達が屋敷に先回りして奴を仕留めてやる』
『そうだ、それがいい』
『だが、そんなに上手くいくのだろうか?』
『上手くいくさ。コチラは銃を持っている』
『その他、両刃の剣も用意しているぞ』
『殺傷力抜群のな』
『だが、連れてきた人を盾にされたら………』
『成る程、それも有り得る』
『まだまだ作戦を練る必要があるな』
『なんせ相手は悪魔だからな』
『幻術を使ってくるか。はたまた肉弾戦をしかけてくるか』
『まだ時間はある。ゆっくり決めようではないか』
.