桎梏の悪魔と花嫁

□満月-full moon-
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『奴は今夜、やって来るそうだ』


『それは本当か?』


『間違いない。なんせ今夜は満月だ』


『そうか、今日だったか』


『満月の真夜中、奴はお目当ての人の所へ行く』


『だが、それは確かなのか?』


『これは昔からそうだった』


『奴は数年に一度、満月の夜とその前後にのみ街に堂々と現れる』


『満月の前日にふらりとあてもなく現れ、美女を探す』


『そして見付けたら、次の日に屋敷へ連れていって殺す』


『だがその前に、俺達が屋敷に先回りして奴を仕留めてやる』


『そうだ、それがいい』


『だが、そんなに上手くいくのだろうか?』


『上手くいくさ。コチラは銃を持っている』


『その他、両刃の剣も用意しているぞ』


『殺傷力抜群のな』


『だが、連れてきた人を盾にされたら………』


『成る程、それも有り得る』


『まだまだ作戦を練る必要があるな』


『なんせ相手は悪魔だからな』


『幻術を使ってくるか。はたまた肉弾戦をしかけてくるか』


『まだ時間はある。ゆっくり決めようではないか』






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