hatred song

□*thirteenth song*
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最近架月が変わった


「久賀くん」


水音ちゃんとよく話すようになった
前はあんなにも嫌っていたのに
何があったの?


「ちょっと」


ほら、今だって2人で屋上へと向かっていく
ねぇ 架月
そこは私たちとの場所じゃないの?


「夏歌、帰ろ?」


ねぇ 海翔
あの子はあなたの彼女じゃないの?


「ねぇ海翔」

「うん?」

「最近、架月おかしくない?」


自分の彼女が他の男と仲良くしてるんだよ?
気になるよね


「水音が本当はそんな悪い奴じゃないって気付いたんだろ?」


海翔も変だよ
嫉妬とかしないの?
架月は昔の水音ちゃんの好きな人なんだよ


「嫌じゃないの?」


私の問いかけに少し間をおいて話し出す海翔


「夏歌、聞いたんだろ?水音が架月を好きだって」


海翔はただ前を向いていて横顔からはどんな顔をしてるのか分からない


「本当に好きな奴と結ばれたほうがいいだろ、誰だって」


ねぇ 本当にそう思ってるの?
だって水音ちゃんはもう架月より海翔が好きって言ってたんだよ


「海翔?」


海翔が急に立ち止まり私の方に振り返った


「だからそん――…」


何かを言い掛けてた海翔の口が閉じる
私の後ろに何かを見つけたように


「架月」


今話題に出てた人の名前が海翔の口から出る

まさかと思い後ろを振り向くと
困った顔をした架月がいた
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