短編

□ぼくのハートを奪ってよ
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「と、いうことが昨日あった訳だが。」
「うわヒッドーイ女の敵だし男の敵ー。自慢とかマジウザいんですけどー。」
「お前の喋り方には叶わないよ。てかそれじゃあ俺もう敵しかいない。」

 幼馴染のコイツだけが俺の心の支えだ。学校でも何か男女共に近付きにくいらしく、男とはどこか一線をおかれ、女からは神格化されてる。ファンクラブあるらしい。怖い。だからちゃんと話せるのはマジでコイツくらい。俺もっと友達欲しいです…。

「いやお前凄いよ、顔良し、高身長、スポーツ万能、勉強もいつも上位3人には入っててもうパーフェクトだな。」
「嫌味か。」
「嫌味はお前の存在だよ。」
「俺に死ねと。」
「安心しろ、お前にも欠点がある。」
「何?」
「モテ過ぎた後遺症で女に興味がないことだ!」
「あー、そうだな。最近女が財布に見える。」
「最低だな。」
「相手も俺の事アクセサリーみたいに見てるんだからおあいこだろ。」
「成る程。」

 うんうんと頷き納得してくれた。いや我ながら最低だとは思うけど向こうから言ってきてるんだからさ、じゃあご飯だけでも!って。

「ところでそんなお前に報告があります。」
「何だよ彼女でも出来たか?」
「死ね。」
「ごめん。」

 すると「おーい山田さーん。」と誰かを呼ぶ。どうやらクラスメイトの山田さんを呼んでいるらしい。一緒にクラス委員をしている外見も内面も真面目な女の子。彼女はずんずんと近付いてきたかと思えばジッと俺を見てこう放った。

「昨日は姉がご迷惑お掛けしました。」
「え、あれ山田さんのお姉さん…?いや、あのさ、俺こそごめんって言うか、ほら、」
「謝罪は不要です。姉に私の好きな人がバレて普段の腹癒せにそれを奪おうとしたらしいです。」

 成る程。と、いうことは俺は悪くないどころか山田さんの為になっ………ん?

「どういうこと?」
「ああ、腹癒せの事ですか?姉は早くに勉強を諦め色恋に走り、私は成績優秀で親から期待も愛情も受けまくりなのが気に食わないんでしょうね。」
「山田さん、コイツが聞きたいのは多分そこじゃない。」
「え?」
「いや俺はもしかして今告白されました?」
「してないです。」
「あ、聞き間違いか。」
「それは折を見てちゃんとします。」
「「!?」」

 おっと山田さんマジで何言ってるのかな?幼馴染だからこそ出来るアイコンタクトをヤツに送ると無言で分かんねえよと首を横に振られた。

「や、山田さん、面白いね。」
「そーそー、てか山田さんみたいな真面目な子がこんな最低野郎選んじゃダメだって!」
「さっきの今で否定出来ない。」
「…最低じゃないですよ、以前、助けてくれたこと、私忘れてません。」
「え?…山田さんを、俺が?」
「はい。」

 記憶が無い。そもそも山田さんとの節点がクラス委員以外に殆ど思い当たらない。何だ?


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