アナザー本編

□03
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「杏里ちゃん、ここどうやるの?」


「えっと、そこはですね…」


響ちゃんが、授業でわからなかった所を園原さんに聞きにいった。

2人は気が合うらしい。



「いいねぇいいねぇ、女の子同士の友情って」


「…………また正臣か」


「またってなにさ帝人君よぉ。俺は愛くるしい2人を見に来ただけさ!」



正臣はホントに女の子が好きだなぁ。
そう思いながら2人に目をやる。


園原さんが教科書を片手に解説をしてる。
響ちゃんは難しい顔をして相づちを打つ。



「で、ここに公式を当てはめるんです」


「えっと……あ、こう?」


「はい、それで合ってますよ」


「やったぁ!」



響ちゃんは小さくジャンプして喜んでいる。
園原さんも嬉しそうに響ちゃんを見つめる。



「なんか、性格はだいぶ違うらしいな、響は。」


「静雄さんと?」


「ああ、響は普通の女の子だよな」


「そうだね……」




あの子は、今までどんな苦労をしてきたんだろうか。
それでもああやって笑っている響ちゃんを見ると、普通の女の子にしか見えなくて…。



「僕、あの子を一人にしちゃいけない気がする」


「……俺もだ」







あの笑顔を
守りたいと思った。


 110121

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