アナザー本編
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「制服だぁ!」
新羅さんに渡された箱には、私立来良学園の制服と鞄と教科書などが入っていた。
「僕とセルティね、響ちゃんに学校へ通ってほしいんだ」
「え、でもお金かかるし…」
「僕ら、もう家族みたいなものだしさ。それに、お金には困ってないからさ!だから遠慮なんていらないよ」
『私も同意だ。響ちゃんは向こうの高校をやめてるみたいだし、こっちで普通の暮らしをしてみるのもいんじゃないかな?』
「でも………」
高校に通えば、友達できるのかな?
静兄の妹でも、受け入れてくれるかな?
そんな考えが頭をよぎる。
すると、セルティさんはなにかを思い出したように手を叩いた。
『響ちゃんと同い年の女の子に園原杏里ちゃんってこがいるんだ。その子なら響ちゃんと普通に接してくれると思うよ』
「園原…杏里ちゃん?」
セルティさんは力強くうなづいた。
「響ちゃん、前へ進もう。それ以外に手は無いと思うよ」
確かに、そうかもしれない。
静兄も、喜ぶかな?
「私、行きます!」
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