アナザー本編

□09
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朝、私は明るさを取り戻していた。


完全復活、とまではいかないけど…。


いつまでもうじうじしてられないと思った。


部屋の扉を開けると、出てすぐには静兄が布団をかぶって寝ていた。


「まさか……ずっと座って寝てたのかな…?」


静兄の前にしゃがんで、頬にふれる。
見た目はこんなに普通の男の人なのに、私と同じなんて全く想像がつかない。


「………ありがとう、静兄」


私は静兄の横に座って、肩に頭を乗せ、目を閉じた。


そして、私は意識を手放した。



――――――――




響が、俺に「ありがとう」と言った。
寝たふりをしていたのはなんだか罪悪感があるが、その言葉が聞けて、すごく嬉しかった。


隣からは、小さな寝息が聞こえだした。

眠ったのか…。


俺は寝ている間にセルティと新羅がかけてくれた布団を、響にも一緒にかける。


「俺には……お前しかいないんだ。だから、ずっとそばにいてくれよ…」


昔は本当にかわいい妹として、響を見ていた。


でも、大きくなった響はさらに可愛くなって、大人っぽくなって……。


見た瞬間から、思った。









俺は、響が好きだ。






 110119

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