アナザー本編
□06
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あれから、何日がたっただろう…。
谷田部くんから連絡が来なくなり、最近は空が私の心を感じ取ったように雨続き。
『響……朝からずっとあの状態だな…』
「そうだね…最近電話してるとこをみないから、谷田部くんって子から連絡が無いのかもね」
『なぁ、新羅……なんだか悪い予感がするんだ』
「うん……もしかしたら、響ちゃんにとって悪戦苦闘な事が起きるのかもしれないね……」
ブーッブーッ…
私の携帯がバイブでなり、すぐさま携帯を開く。
谷田部くんからメールだ…!
『今から黄巾賊のアジトに来て。』
私はセルティさん達に遅くなると伝えて家を出た。
アジトの道のりは言葉で書いてあり、私はその通りに走った。
「はっ……はっ……」
たどり着いたのは、廃工場みたいな場所だった。
きっと、ここがアジト。
「谷田部くんに……言わなきゃっ……」
ガラガラガラガラ
大きな音を立てて扉を開くと、中には黄色を身に着けた沢山の人たち。
「やっときたなぁ、平和島静雄の妹さんよぉ」
わかった。
私ははめられたんだ。
多分、あのメールを送ったのは谷田部くんじゃない。
………最悪。
「敵は弱い奴から片づけねぇとなぁ?」
今は、
今だけは……
全力を出して、いいですか?
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