アナザー本編
□04
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谷田部side
「おーい」
公園の入り口付近で見えた響に手を振ると、嬉しそうにこちらに走り寄ってきた。
「おまたせっ」
「よしっ!今日はどこに行く?」
「あのねっ、私行ってみたい場所があるの!」
「へー?どこ?」
「あのね、南池袋公園に似顔絵描きの人が来てるらしいの!それで、描いてもらいたいなぁって」
南池袋公園…。
タイミング悪いな…。
最近はそこに黄巾賊がよくたまってるんだよな…。
「ん〜…まぁいいか、いこうぜ」
「やった〜」
響はにこにこしながら俺の隣を歩く。
そういえば、なんでこいつはいつもバーテン風の服を着ているんだ?
まるで、平和島静雄…。
そういやぁ、どことなく似ているような…。
確か最近妹がいるって噂だしな…。
いやいや、違うだろ。
もしそうだったとしたら、俺はこいつから離れないといけなくなる。
黄巾賊の敵は俺の敵。
妹ってだけでも敵になる。
俺はただ願うしかなかった。
響が平和島静雄の妹ではありませんようにと。
101226