アナザー本編

□03
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「そうなの?あははっ」

『ははっ、それでさ…』



響が電話の先で話すのは、最近できた友達だ。



「……………」

「……静雄さ、いい加減ティッシュ無限に出すのやめてくれない?挙動不審になるのはわかるけど」



俺がずっと出し続けていたティッシュの中身は空になりかけていた。



「だってよぉ……相手は男だぞ………なんか気になるんだ」

「まさか……その相手の子が響ちゃんと恋仲になるかも…とか思ってる?」

「ぐっ………」

「図星なの…」



すると、今まで響をずっと見ていたセルティがこちらに歩み寄ってきて、俺の隣に座った。
そして、PDAに文字を打ち込んだ。




『響ちゃんと恋仲だって?そんなの姉である私が許さない』

「セルティはすっかり姉貴分だね」

「セルティ!俺うれしいぜ!お前がそんなに響の事を考えてくれていたなんて…!」

『当たり前じゃないか!響ちゃんは大事な妹何だから!』




すっかり意気投合した俺たち。



「うん、わかった!またあの公園だね?うん―――わぁっ!」

『ど、どうした?』

「ごめん、ちょっと待ってね」



電話の相手とあう約束をしたようなので、俺は響の前に立ちはだかった。



「静兄、私これから谷田部くんと遊びに行くからどいてよ…」



俺は断固として退こうとしない。
響がその谷田部?と恋仲なんて口にしただけでイヤになる。



「静兄?」

「くぅ………」

「ねぇ?」

「暗くなる前に帰ってこいよ!」

「うん!」



パタン



「静雄も甘いね」


「るっせ……」




  101226

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