アナザー本編

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季節は夏。

私はカッターシャツの袖をまくって池袋を散歩中。



「やっぱり温暖化が進んでるんだ…」



手うちわをしながら宛もなく歩いていると、たどり着いたのは露西亜寿司が近くにある東池袋公園だった。
足を休憩させるために、新幹線みたいなのに座っていると、なにやら黄色が目立つ男集団が私に近寄ってきた。



「君かわいいね、スタイルもいいし。俺らと遊ばない?」

「あの、ナンパしてるんですか?」

「はははっ、そうだよ、ナンパナンパ!」

「うわぁ、ここだと初めてナンパされた!」



私は初めてのことにテンションがどんどん上がっていく。



「すっごーいっ!」



私は興奮して新幹線を手でバシバシたたいた。



ビシッ



「あ、ヒビ入っちゃった…」

「あ…あんたまさか……平和島静雄の……!」

「やばいぜっ!逃げよう!」

「へ?ちょっ…」



男集団はなぜか走り去っていった。
小さくため息をついて辺りを見渡してみると、なぜか手をこちらに伸ばしたままの状態で一時停止している青年がいた。



「あの……なにしてるんですか?」

「え、いや…ナンパされてたから助けようとしたんだけど……いらなかったな」



頭に黄色の布を巻いてる私と同い年くらいの青年だった。
どうやら私を助けようとしてくれたらしい。



「そっか……じゃあその意志をたたえて今から露西亜寿司へ行こう!」

「え、でも俺今金ねーよ?」

「大丈夫!静兄からもらった学生無料券があるのでーす」

「静兄?」

「私の兄でーす」

「へぇ」



そして、私たちは露西亜寿司へ向かった。




  101225

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