アナザー本編
□06
1ページ/1ページ
「セルティさん見て見て!このクッキーうまくいった!」
『ホントだ!きれいにできたじゃないか!』
響とセルティは、2人でキッチンに立ってクッキーを焼いている。
とても楽しそうだ。
「響ちゃん、あの時が嘘みたいだね」
「………ああ」
あの日、響の腕や手を新羅に手当してもらって、あとは新羅達に任せた。
臨也とはその日は一時休戦して、解散になった。
次の日には響はこんな風に楽しそうにしていた。
まぁ、その方が俺的にも嬉しいからいいが。
「静兄、これ食べてみて?」
クッキーを差し出した響の手には包帯が大きく巻かれていた。
傷は見えないが、なんとなく痛々しい…。
「静兄?」
「あ、美味そうだな、ありがたく貰うわ」
クッキーをつまんで口に放り込む。
うん、美味いな。
「美味いぜ」
「ほんと?セルティさん!静兄美味しいって!」
『よかったな』
「うん!あ、新羅さんもどうぞ!」
「ありがとー」
響が楽しそうで良かった。
あの時、響がこのまま壊れるんじゃないかと心配になった。
響だけは、失いたくない…」
101224