アナザー本編

□05
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響は、いきなり店のガラスを叩き
割った。

俺と臨也は驚いて響を見る。



「………ぃゃ…ぃゃ…」



響は小さな消えそうな声で言った。

今の様子は明らかにおかしい。



響はついにしゃがみ込んでしまった。
ガラスの破片が飛び散ったコンクリートに手を着けた。



「響っ!」



俺は標識を捨てて響のもとへ駆け寄ろうとした時、俺の横を誰かが横切った。




臨也だった。




「響ちゃん、手見せて!」



臨也は響の手を取って手のひらをみる。手のひらからはガラスで切ってしまった血がじわじわと出てきていた。
ガラスを叩き割った腕も、服の上に血が染み出していた。



「シズちゃん!新羅に電話して!」


「わ、わかった!」




俺は急いで新羅に電話をかける。



  ―――――――



『状況はなんとなくわかったよ!セルティが迎えにいくから、それまでタオルとかなんかで腕押さえてあげて!』


「ああ、わかった、頼むな!」



新羅との電話を切って、臨也を見ると、しゃがみこむ響を見ながら動揺を隠せずにいた。


初めて臨也が動揺しているのを見た。


俺は出血が多いほうの傷口を袖の上から脱いだベストで抑える。


響の顔をのぞき込むと、目を充血させながら泣いていた。



俺と臨也は、ただ無言で響を見ていた。


「しず、にぃ…」

「…!なんだ?痛いか?」


響は首を横に振って、呟いた。








「私なんか、消えればいいのに」









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