アナザー本編

□04
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あれは、私が中学生の時。





「やめてください!」






変な人たちに囲まれた私と親友だった唯。


私は唯を助けたくて、でも唯は私がどれだけ力を持っているのかを知らなかった。


単純なこと。


唯が知れば、離れていってしまうから。






「ほら、お嬢さん、俺らと一緒に良いとこ行こうよ」


私はチャラそうな男に腕を捕まれて身動きがとりにくくなる。



「響!!」



唯が私をつかんでる男を突き飛ばす。

私はなんとか男の手から逃れた。



「唯!こっち!!」



私は唯の手を引っ張り走る。
唯を守らないと、私が!



「待て!!」



待ち伏せしていたもう一人の男に首を捕まれ、店の窓ガラスに押し付けられる。



「響!!」



唯が男に手を無理矢理引かれていく。
助けたいのに、首を絞められて意識が遠のいていく。




―――やる、しかないのかな…お兄ちゃん……。





バリィン!





「なっ!!」





私は後ろにある窓ガラスを叩き割り、男の力がゆるむのを感じた瞬間に男を足で蹴飛ばした。




―――唯……。




唯と唯を掴んでる男は呆然と私をみてる。

もう、取り返しはつかない。




「―――っ!」



私は近くにあった標識を折って男に向かって構える。


軽くはない。むしろ重かった。

まるで、私をみている唯の恐怖にまみれた瞳が、私を潰そうとしているかのよう。




「やっ、やめろ!!わかったから!あの唯ってこも離すから!」



男は悲鳴をあげてるかのように言った。


なら最初からこんな事するな。
私の中は憎悪で一杯だった。






「私の裁きを受けろ」









ピーポーピーポー…





気がつけば、救急車で運ばれていく男たち。




―――そして、





私の親友も頭から血を流していた。






「………い、いやぁ………!!!」







大事な親友を………









巻き込んでしまった。








私は、その時から、









『化け物』になった。






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