アナザー本編
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「響のトラウマ?」
『ああ、過去の話を少し聞かせてもらったんだ。どうやら大切な親友に怪我をさせてしまったらしい…』
ちらっと響に視線を移すと、響は新羅と楽しそうにゲームをやっていた 。
きっとこちらの声は聞こえないだろう。
『響は親友といるときに、柄の悪い輩に囲まれて…』
セルティに詳細を聞いて、なぜか悲しくなった。
響が独りで抱え込んでいたんだと思うと…。
『響は今なにかと不安定だから、私達が支えるべきだと思う』
「……だよな」
今までずっと離れていた。
そのおかげで、俺は響の事がわからなくなった。
すっかり、壁を作られてしまったんだ。
『とりあえず、私や新羅も響を気にしておくから、静雄も気をつけておいてくれ』
「ああ……」
俺にとって……
響は――…
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