アナザー本編

□08
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「幽お兄ちゃん!」


私はお兄ちゃんの家にやってきた幽お兄ちゃんに抱きついた。
幽お兄ちゃんは無表情だったけど、頭を優しくなでてくれた。


「早く来いって電話で言われて来てみれば……こうゆうことなんだね」

「うん!」


幽お兄ちゃんの体温が心地よくて、ずっと引っ付いていると、静兄が私を引き剥がした。


「それより、お前これからずっと池袋にいるのか?」

「うん、おばあちゃんが居たかったら好きなようにしなさいって。でも電話たまにしなさいって」

「そぅ、か。俺の家は狭いし…幽はマスコミが危ないよな」

「マスコミ?なんで?」

「幽は俳優なんだよ」


俳優…?マジで!!

「ぜんぜん知らなかった!」

「おばあちゃんの家はかなりの田舎だからね」


テレビあんまみなかったもんなぁ。田舎だと興味薄れるし。


「響はどこに住めば…あ。」


お兄ちゃんは形態をとりだして電話をかける。
相手は誰だろう。


『もしもーし』

「新羅か?静雄だけど」

『お、静雄か、どうしたの?』

「おまえの家に預けたい子がいるんだ」

『え、世話してくれってこと?別にいいけど……セルティー!ちょってきてー!』

『静雄が預かって欲しい子がいるんだって。僕はかまわないけど、君は?……そう、良かった!もしもし静雄?OKだよ。というか、その子は静雄のなんなの?彼女?』

「ちげーよ、俺の妹だ」

『え!あの妹!?静雄が語りまくってた妹!?』
「そ、そうだ!名前は平和島響」

『響ちゃんね、セルティ、楽しみだね』

「じゃあ、今からそっちいくから」

『りょうかーい』



プツッ



「響、俺の同級生の家で我慢な」

「うん、あ、行く前に…」


私は幽兄に耳打ちをした。

「できるかな?」

「響が欲しいなら買ってくる。明日届くようにするよ」


幽兄はそう言って家から出て行った。

私は荷物を持って静兄についていった。


新羅さんって、どんな人なんだろ…。




  101103

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