アナザー本編

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「お兄ちゃん!」


私はただ大声を出していた。お兄ちゃんに会いたくて、会いたくて、会いたくて……。
顔も知らない兄を、私は呼び続けた。


「オジョーサン寿司食いねー」

「ぇ……?」


超片言だったから振り向いてみると、黒人の人が立っていた。


「誰!!」


私は何故か叫んだ。
だってデカいからビックリしたんだもん。


「あの!平和島静雄って知ってますか!?」

「おー!シズオ!私友達ヨ」


またお兄ちゃんの友達!
私ある意味すごいな!


「お兄ちゃんどこにいるんですか!?」

「シズオ、ワカラナイヨ〜」

「えぇ?」


お兄ちゃんどんだけ歩き回ってんのー!?




「響ちゃん?」



声のしたほうに振り向くと、今度はファーの付いた帽子付きのジャケットを着てる二十歳前半くらいの男の人だった。


「なに、妹ちゃんまでバーテン風の服着ちゃってんの?」

「あ、これは…じゃなくて、何で名前……しかも妹って……」

「オゥイッザーヤ!寿司食う?いいよ?」

「サイモンごめん、今日はこの子目的」

「ナンパ?オジャマムシ退散するよ〜」


サイモンと呼ばれた黒人の人は、遠くにいってチラシ配りを始めてしまった。
私とイザヤと呼ばれる男の人と二人になった。

周りは人がたくさん歩いてるのに、周りの音が消されていくような不思議な感覚がした。





「俺は、折原臨也。よろしくね?平和島響ちゃん」


関わってはいけない人と、私は出会ってしまったような気がした。





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